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動画制作のヒアリングシート完全ガイド|必須項目10個・動画タイプ別テンプレート

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目次

「初稿を出したら『イメージと違う』と差し戻され、撮り直しになった」「編集段階で『やっぱりBGMは別の方向で』と言われ工数が膨らんだ」「公開直前に決裁者から想定外の要望が来た」―動画制作の現場で、ヒアリング不足は手戻りと利益圧迫の最大要因です。

本記事では、動画制作に特化したヒアリングシートの必須項目10個・PR/採用/SNSなど動画タイプ別の8種類のテンプレート・企画/撮影/編集/納品の制作フェーズ別質問例・「おしゃれ」「かっこいい」など主観的要望を具体化する4軸テクニック・失敗パターンと回避策・FAQまで、現場ですぐに使える形で解説します。読了後には、初稿通過率と修正回数を大幅に改善できる、自社・自分の制作フローに最適化されたヒアリングシートを作れる状態になります。

監修・運営は、累計1,000社以上に導入されている対話型ヒアリングツール「インタビューズ」を提供するラーナーズ株式会社です。記事の最後では、動画制作会社・フリーランスでのデジタル化事例もご紹介します。

動画制作でヒアリングシートが重要な5つの理由

動画制作は、グラフィックデザインやWeb制作と比べても「撮り直し」「編集修正」のコストが極端に大きい領域です。ヒアリングシートが他業界以上に成果を左右する理由を5つに整理します。

動画制作特有の「撮り直し・編集修正」コストの大きさ

撮影は1日で数十万〜数百万円のコストがかかり、後から撮り直すには出演者・ロケ地・機材を再度確保する必要があります。編集段階でも、BGMや構成の方向転換は工数を倍化させます。1問のヒアリング漏れが、数十万円のコスト増になるケースが珍しくありません。

クライアントとクリエイター間のイメージずれを防ぐ

「かっこいい動画にしてほしい」というクライアントの感覚と、クリエイター側の解釈は人によって180度違うことがあります。ヒアリングシートで「色・テンポ・モーション・音」を構造化することで、共通言語を作れます。

企画・撮影・編集の各工程で必要な情報を整理する

動画制作は企画→撮影→編集→納品の4工程で、それぞれ必要な情報が異なります。フェーズごとに「何を確認すべきか」をシート化することで、抜け漏れを防げます。

制作会社の属人化を解消し再現性を担保する

ベテランディレクターの暗黙知を、ヒアリングシートとして形式知化することで、新人ディレクターでも一定品質の打ち合わせができるようになります。制作会社の組織力底上げに直結します。

動画タイプで異なるヒアリング設計の必要性

PR動画・採用動画・SNS動画・TVCM・教育動画では、ヒアリングすべき項目がまったく違います。SNS動画では「縦横比」「最初の3秒」「音なし視聴前提」が論点になりますが、TVCMでは「秒数厳守」「考査クリア」が論点になります。タイプ別の最適化が成果を分けます。

動画制作のヒアリングシート必須項目10個

動画ジャンルが違っても、ヒアリングシートには共通する必須項目があります。以下の10項目は最低限押さえましょう。

① 動画の目的・ゴール(KPI・KGI)

最初に確認するのは、「この動画で何を達成したいのか」というゴールです。

  • 認知拡大/比較検討促進/商談化/採用応募/社内浸透など最終ゴール
  • 数値目標(再生数・CV・応募数等)
  • 配信期間と評価タイミング

ゴールが定量化されていれば、後の構成・尺・KPIすべてが連動して決まります。

② ターゲット視聴者(ペルソナ・媒体接触シーン)

動画は誰に届けるかで最適解が大きく変わります。

  • 年齢・性別・職業・所得層
  • 動画視聴の典型シーン(通勤中・寝る前・休憩中等)
  • 視聴デバイス(スマホ縦/PC横)
  • 音声環境(オフ視聴前提か)

特に「音なし視聴前提」かどうかは、字幕設計・テロップ量に直結します。

③ 配信媒体・尺・縦横比

媒体ごとに最適な仕様が異なります。

  • 配信媒体(YouTube・TikTok・Instagram Reels・自社サイト・展示会・社内研修等)
  • 尺(15秒/30秒/60秒/3分/5分以上)
  • 縦横比(16:9・9:16・1:1・4:5)
  • 解像度(HD/4K)

媒体仕様は撮影方法から決まるため、ヒアリングの最初に確定させる項目です。

④ コンセプト・メッセージ・トーン&マナー

動画の「世界観」を選択肢で言語化してもらいます。

  • 高級感⇔親しみやすさ
  • スピーディー⇔ゆったり
  • 真面目⇔ユーモア
  • ドキュメンタリー⇔アニメーション

スライダー形式でどちら寄りかを聞くと、感覚的な要望を構造化できます。

⑤ 参考動画・好きな表現/避けたい表現

参考動画は最低3本、できれば5本集めてもらいます。

  • 参考にしたいYouTubeチャンネル・CM・PV
  • なぜそれが良いと感じるか(構成/演出/BGM/色味等)
  • 絶対に避けたい表現・テイスト

「嫌い」を聞かないと初稿で地雷を踏むため、両面ヒアリングが鉄則です。

⑥ ストーリー構成・絵コンテの希望

事前に大枠の構成感を確認します。

  • オープニング/本編/エンディングの時間配分
  • 起承転結 / プロブレム→ソリューション型 / 比較紹介型 等の構造
  • 既存の絵コンテ・脚本案の有無
  • 訴求順序の優先度

クライアント側で絵コンテのラフがある場合は、必ず初期に共有してもらいます。

⑦ 撮影要件(ロケ・出演者・小道具・撮影日)

撮影フェーズに直結する項目です。

  • 撮影場所(ロケ・スタジオ・社内・既存映像活用)
  • 出演者(社員/役者/ナレーターのみ等)
  • 必要な小道具・衣装
  • 撮影可能日・天候依存の有無
  • 撮影許可・著作権物の使用可否

 ⑧ 編集要件(BGM・テロップ・ナレーション・字幕)

ポストプロダクションで必要な要素を確定します。

  • BGMの希望(明るい/落ち着いた/既存音源/オリジナル)
  • テロップの量とスタイル(全文字幕/キーフレーズのみ)
  • ナレーションの有無(プロ起用/社員/AI音声)
  • 字幕(日本語のみ/多言語)
  • 効果音(SE)・トランジションの好み

⑨ 制作スケジュール・公開日

逆算スケジュールを組むため、最終公開日と中間マイルストーンを確認します。

  • 最終公開・納品希望日
  • 構成案・絵コンテ確定日
  • 撮影日
  • 初稿提出・修正稿・最終納品の各タイミング
  • 動かせない期日(イベント・キャンペーン日)

⑩ 予算・納品形式・著作権・二次利用

権利・予算は後のトラブル回避のため必ず明文化します。

  • 制作費の上限・想定レンジ
  • 出演料・楽曲使用料・素材使用料の取り扱い
  • 納品データ形式(MP4・MOV・ProRes等)
  • 著作権の帰属・二次利用範囲
  • 修正回数・契約上限の取り決め

▼下記の資料では、実際にアンケートを作成する際に回答率の高いアンケートを作成するために『どんな項目があるばべきか』『回答率の高いアンケートの特徴』など、実例を交えながら解説しいます。

アンケート作成でお悩みのある方は、下記の資料を参考にしながら効果的ななアンケートの作成方法を確認してみてください。

動画タイプ別ヒアリングシートのテンプレート集

ここからは、動画タイプ別に追加で押さえるべき項目を紹介します。共通10項目に加えてご活用ください。

PR動画(企業ブランディング)向けテンプレート

  • 企業理念・ミッション・バリュー
  • ブランドガイドライン(色・フォント・ロゴ規定)
  • 既存ブランディング動画との関係(継続/刷新)
  • 訴求したい企業価値TOP3
  • 経営層の登場有無と発言内容
  • 公開チャネル(コーポレートサイト・株主・採用)

商品・サービス紹介動画向けテンプレート

  • 商品の差別化ポイントTOP3
  • 競合商品との比較軸
  • 価格・機能・スペックの訴求度合い
  • デモシーンの希望(実演/CG/アニメ)
  • ユーザーボイス・お客様の声の活用可否
  • 購入導線(CTA・概要欄リンク等)

採用動画(リクルート)向けテンプレート

  • 採用ターゲット(新卒・中途・職種別)
  • 訴求したい働く魅力TOP3(仕事内容/人/制度等)
  • 登場社員の選定基準と人数
  • 撮影場所(オフィス・現場・自宅等)
  • 既存社員インタビュー収録の有無
  • 配信媒体(自社採用サイト・Wantedly・SNS等)

セミナー・ウェビナー動画向けテンプレート

  • セミナーテーマと所要時間
  • 登壇者数・スライド連動の有無
  • 収録方法(対面ライブ/Zoom録画/ハイブリッド)
  • カメラ台数とアングル
  • 字幕・テロップの精度要件
  • 配信形式(リアルタイム/オンデマンド)

SNS動画(TikTok・Instagram Reels・YouTube Shorts)向けテンプレート

  • 媒体別の縦横比(9:16が中心)
  • 尺(15秒/30秒/60秒)
  • 最初の3秒のフック設計
  • 音なし視聴前提のテロップ量
  • トレンド楽曲・エフェクトの活用
  • ハッシュタグ戦略

TVCM・Web CM向けテンプレート

  • 秒数(15秒/30秒/60秒)
  • 媒体考査の要件(放送局・業界自主規制)
  • 出演者の媒体権利(地上波OK等)
  • 楽曲使用料・JASRAC手続き
  • 複数バリエーション制作の有無(A/Bテスト)
  • メイキング・素材二次利用の希望

教育・研修動画向けテンプレート

  • 受講対象者と前提知識レベル
  • 学習目標と評価方法
  • 章立て・チャプター構成
  • LMS(学習管理システム)連携要件
  • 視聴期間と進捗管理
  • 多言語対応の必要性

イベント・取材ドキュメンタリー向けテンプレート

  • イベントの目的と規模
  • 撮影スケジュール(リハーサル含む)
  • インタビュー対象者リスト
  • 緊急時対応(屋外天候・進行変更)
  • ライブ配信の併用有無
  • ダイジェスト版・本編の使い分け

制作フェーズ別の質問例【企画・撮影・編集・納品】

動画制作はフェーズごとに必要な情報が変わります。フェーズ別に効果的な質問例を整理します。

企画フェーズの質問例

  • この動画で達成したい最重要KPIは何ですか?
  • ターゲット視聴者を1人挙げるとしたら、どんな人ですか?
  • 既存の競合動画で参考にしているものはありますか?
  • 動画のコンセプトを1行で言語化すると?
  • 「らしさ」を表現するキーワードを3つ挙げてください

撮影前ヒアリングの質問例

  • 出演者の確定状況と練習可能日を教えてください
  • ロケ地の使用許可・撮影制限はありますか?
  • 当日の進行表・タイムスケジュールは整っていますか?
  • 雨天時・トラブル時の代替プランはありますか?
  • 撮影中の意思決定はどなたが行いますか?

撮影直前確認の質問例

  • 撮影当日のスタッフ/出演者の集合場所・時間を確認させてください
  • 衣装・小道具・台本の最終確認はお済みですか?
  • 立ち会いの方は何時に来られますか?
  • 当日NGの撮影内容(機密情報・登場禁止人物等)はありますか?

編集フェーズの質問例

  • BGMの方向性は決まっていますか?候補曲があればお送りください
  • テロップは全テロップ式・キーフレーズ式どちらが希望ですか?
  • ナレーションを入れる場合、男性/女性・声色の希望はありますか?
  • カット割りの優先度(テンポ重視/丁寧)はどちらですか?
  • カラーグレーディングの方向性(自然/シネマライク/鮮やか等)は?

試写・確認時の質問例

  • 全体の印象を5段階で評価してください
  • 修正したい箇所TOP3を教えてください
  • 修正は最大何回までに収めたいですか?
  • 決裁者・関係者からの追加意見はありそうですか?
  • 公開前の社内承認フローを教えてください

納品・公開後の質問例

  • 公開後1週間の数値はどうでしたか?
  • 想定との差分はありますか?
  • 視聴者の反応・コメントで気になったものはありますか?
  • 次回制作に向けた改善点はありますか?
  • 派生動画(短尺版・縦動画化等)の希望はありますか?

やってはいけないNG質問とその改善例

NG質問

問題点

改善例

「どんな感じにしますか?」

抽象的すぎて答えにくい

「明るい/落ち着いた、スピーディー/ゆったり、どちら寄りですか?」

「BGMはどうしますか?」

選択肢が広すぎる

「参考にしたいCM・動画のBGMがあれば3本教えてください」

「修正は何回まで可能ですか?」

受け身で主導権を失う

「初稿後の修正は2回までの想定でお進めしますが、よろしいでしょうか?」

「どんな動画が好きですか?」

雑談で終わる

「直近1カ月で見て印象に残った動画を3本挙げてください」

▼以下では、ヒアリングを効率化させるためのヒアリングシートの作り方をステップ別に解説し、具体的な「ヒアリングシート制作の基礎知識」や「営業のためのヒアリングシートに盛り込むべき6つのポイント」を記載しております。
資料にあるステップをもとに、営業活動のヒアリングの質やスピードアップを検討中の方は、是非ご参考にしてください。

効果的なヒアリングシートの作り方【7ステップ】

 実際にヒアリングシートを設計する手順を解説します。

STEP1:ターゲット動画のジャンルを特定する

自社が手掛ける主要ジャンル(PR/採用/SNS等)を絞り、ジャンル別にシートを2〜3パターン用意します。汎用シート1枚より、ジャンル特化シート複数の方が現場で機能します。

STEP2:制作フローから取得すべき情報を洗い出す

企画・撮影・編集・納品の各工程で必要なアウトプットを並べ、それぞれ必要な情報を逆算してリスト化します。

STEP3:質問順を「答えやすい順」に並び替える

属性情報→目的・ゴール→ターゲット→希望条件→予算・スケジュール→契約条件、の順が基本です。

STEP4:選択肢・参考動画・絵コンテサンプルを用意する

「シンプル」「おしゃれ」など主観表現は、選択肢と参考動画ギャラリーで構造化します。共通言語があってこそ、ヒアリングは初めて機能します。

STEP5:権利関係・予算・スケジュールを必ず明文化

著作権・肖像権・楽曲使用料・素材二次利用・修正回数は、後のトラブル防止のため、初回ヒアリングで必ず明文化します。

STEP6:レイアウト・回答時間を最適化する

紙・PDFなら章ごとに区切り、Webフォームならステップ分割が効果的です。事前回答型なら15分以内、対面ヒアリング型なら60〜90分が目安です。

STEP7:テスト運用とブラッシュアップ

完成シートは社内ディレクターや既存クライアントでテスト運用し、(1) 質問の意図が伝わるか、(2) 答えに詰まる箇所はないか、(3) 抜け項目はないか、を確認します。

▼下記の資料では、自社のマーケティング施策に活用できる最適な『診断体験』の作り方を5つのステップで解説しています。診断コンテンツはユーザー自身の潜在的なニーズを深掘り、自分が求めるサービスや理想像をより明確にできるため、CVRの向上や診断コンテンツを通じてLTVを向上させることが可能です。自社のサービスで診断体験を通じたユーザー獲得や認知拡大をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

演出・デザイン要件のヒアリングを深掘りするコツ

動画制作で最大の難所は、「かっこいい」「おしゃれ」「ポップに」といった抽象的な要望の具体化です。次のテクニックで構造化できます。

「かっこいい」「おしゃれ」を具体化する4軸

動画における感覚要望は、次の4軸で言語化できます。

  • :鮮やか⇔落ち着いた、暖色⇔寒色、彩度高⇔低
  • テンポ:速いカット割⇔ゆったり、シーン数多⇔少
  • モーション:動きが多い⇔静的、カメラワーク派手⇔シンプル
  • :BGM主役⇔ナレーション主役、効果音多⇔少

シートにこの4軸スケールを入れておくと、「かっこいい」を「鮮やか+速いカット+派手モーション+BGM主役」のように具体的な指示に変換できます。

ムードボードと参考動画の引き出し方

参考動画は最低3本、できれば5本集めてもらいます。

  • 「PinterestやYouTubeで保存している動画はありますか?」
  • 「直近で印象に残ったCMを3つ挙げてください」
  • 「過去に『これは良かった』と感じた動画と、その理由を教えてください」

クライアントが集めた参考動画から共通項を抽出し、独自の方向性として提案するのがプロの仕事です。

BGM・SE・ナレーションのトンマナ統一

BGMは動画の印象の半分を決めると言われます。

  • 参考BGMのジャンル(エレクトロ/オーケストラ/アコースティック等)
  • テンポ(BPM)の希望
  • 楽曲使用料の予算枠
  • 既存ライセンス音源(Artlist/Epidemic Sound等)の利用可否

ナレーションは性別・年齢・トーン(温かい/落ち着いた/元気)の3軸で確認します。

ロゴ・テロップ・字幕の表現ルール

テロップ・字幕は動画の品質に直結します。

  • フォント(指定/おまかせ)
  • 表示位置と文字数の制約
  • 全テロップ(発話完全字幕)/キーフレーズのみ
  • 強調色・装飾の方針

縦動画と横動画で変わるヒアリングポイント

SNS動画(縦)とWeb動画(横)では、ヒアリング項目が大きく異なります。

観点

縦動画(SNS)

横動画(YouTube/Web)

縦横比

9:16が中心

16:9が中心

15〜60秒中心

1〜10分中心

最初の3秒

フック必須

タイトル・導入で許容

音声

オフ視聴前提・全字幕

オン視聴前提

テキスト

大きく中央配置

下部や脇に配置

「同じ動画を縦と横で2バージョン作る」というニーズも増えており、要件確認は必須です。

動画制作のヒアリングでよくある失敗と回避策

動画制作のヒアリング段階でよくある失敗5パターンと回避策を整理します。

失敗1:目的が曖昧なまま着手する

「とりあえずブランディング動画を」と曖昧なまま着手すると、初稿提出後に「やっぱり違う」と方向転換が起きやすくなります。回避策は、目的を1行で言語化し、書面で合意するまでは制作着手しないことです。

失敗2:決裁者の好みを聞き漏らす

窓口担当者だけと話を進め、最終決裁者(経営層・役員)が試写で「方向性を変えて」と差し戻すケースです。回避策は、初回ヒアリングで「最終決裁者は誰で、過去どんな動画を評価したか」を必ず確認することです。

失敗3:撮影後の修正範囲を握れていない

「修正は何回まで」「再撮影は別途費用」を契約段階で握っていないと、無限修正ループに陥ります。回避策は、契約書とヒアリングシートの両方に修正条件を明記することです。

失敗4:権利・利用範囲・尺切り運用が未定義

完成動画を「自社サイト+SNS+展示会」で使うのか、二次利用範囲はどこまでか、楽曲ライセンス期間はいつまでかを定義していないとトラブルになります。回避策は、ヒアリング段階で利用範囲・期間・媒体・素材使用料を一覧化することです。

失敗5:参考動画が1本だけで方向性が固まる

参考動画が1本だけだと、模倣リスクが高まり、独自性が出せません。回避策は、最低3本以上の参考動画を集めてもらい、共通項を抽出することです。

失敗を防ぐ12項目チェックリスト

ヒアリング終了時に、次の12項目を確認しましょう。

  1. 動画の目的とKPIが言語化されているか
  2. ターゲット視聴者がペルソナレベルで具体化されているか
  3. 配信媒体・尺・縦横比が確定しているか
  4. コンセプトとトーン&マナーが4軸で整理されているか
  5. 参考動画3本以上を入手したか
  6. 避けたい表現を聞いたか
  7. 撮影要件(ロケ・出演者・日程)が確定しているか
  8. 編集要件(BGM・テロップ・ナレーション)を確認したか
  9. スケジュール・公開日が確定しているか
  10. 予算と納品形式が合意されているか
  11. 著作権・二次利用範囲が明文化されているか
  12. 修正回数・追加費用の発生条件が共有されているか

動画制作のヒアリングを効率化するデジタルツール

紙・Excel運用は、案件規模・組織規模が大きくなるほど限界が見えてきます。

紙・Excel運用の限界と乗り換えタイミング

次の状況が見え始めたら、デジタル化を検討しましょう。

  • 案件数が月10件を超え、ファイル管理が煩雑
  • 複数ディレクターでのバージョン管理にズレが生じる
  • 過去案件のヒアリング履歴が活用できていない
  • リモート・遠隔ヒアリングが増えた

デジタルヒアリングツールで自動化できる業務

デジタル化することで、次の業務が自動化できます。

  • 事前ヒアリング(対話型UIで分岐質問)
  • 集計・要件定義書のドラフト自動生成
  • 過去案件の検索・参照
  • クライアントへの自動リマインド

動画レビューツール(Frame.io等)との連携

Frame.io・Wipster などの動画レビューツールと組み合わせると、初稿提出→クライアント確認→修正コメント→反映、というサイクルを劇的に効率化できます。「コメントが時間軸上のどこの修正か」が一目で分かるため、認識ずれを最小化できます。

制作管理ツール(Notion・Asana等)との連携

ヒアリング情報をNotion・Asana・monday.comなどの制作管理ツールに連携することで、要件→撮影→編集→納品の進捗を一元管理できます。

ツール選定の3つのチェックポイント

ツール選定時に確認すべき観点は次の3つです。

  1. クライアントが回答しやすいUI:スマホでもストレスなく回答できるか
  2. 分岐ロジック:動画ジャンルや回答内容に応じて質問を出し分けられるか
  3. 既存ツール連携:動画レビューツール・制作管理ツール・CRMと連携できるか

動画制作ヒアリングシートに関するよくある質問(FAQ)

最後に、現場でよく寄せられる質問にQ&A形式でお答えします。

Q1. ヒアリングシートは初回打ち合わせ前に送るべき?

  1. 事前送付がおすすめです。クライアントが事前に内容を整理して打ち合わせに臨めるため、当日のヒアリング深度が一段上がります。事前は10〜15問の基本情報に絞り、対面で深掘りする2段階運用が現実的です。

Q2. 質問数は何問が適切?

  1. 事前回答型なら15〜20問、対面ヒアリング型なら30〜40問が目安です。SNS短尺動画のような小規模案件では10問程度に絞り、TVCMや長尺PRでは50問以上のヒアリングが必要なこともあります。案件規模に応じて使い分けましょう。

Q3. SNS動画・短尺動画でも同じシートで運用できる?

  1. SNS動画は専用シートを用意するのが理想です。縦動画・最初の3秒・音なし視聴・トレンド楽曲など、長尺動画と異なる項目が多いためです。共通シートに「SNS用追加項目」を別ページで用意する運用でも問題ありません。

Q4. 著作権・肖像権の確認はどこまで行うべき?

  1. (1) 出演者の出演同意・肖像権使用範囲、(2) BGM・効果音・素材の使用ライセンス、(3) 商標・ロゴの使用許諾、(4) 二次利用範囲と期間、の4点は必ず明文化しましょう。トラブルの大半はここから発生します。

Q5. 修正回数のルール化の目安は?

  1. 一般的には初稿後2回までを契約に含め、3回目以降は別途費用というルールが標準です。修正範囲も「軽微な修正(テロップ・カラー調整等)」と「大幅な修正(構成変更・再撮影等)」を分けて定義しておくと、後のトラブルを防げます。

動画制作のヒアリングを効率化するなら「インタビューズ」

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  1. 対話型UIで高回答率:スマホ完結のチャット形式で、Webフォーム比1.5倍以上の回答率
  2. 柔軟な分岐ロジック:動画ジャンルや回答内容に応じて質問を出し分け、最適な質問だけを提示
  3. 画像・URLアップロード対応:参考動画のURL・絵コンテのアップロードまでシート内で完結

動画制作会社・クリエイターの活用事例

導入企業からは「キックオフ前のヒアリング時間を半減」「初稿通過率が60%→85%に改善」「フリーランスでも案件あたりの稼働時間を平均5時間削減」といった声をいただいています。

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まとめ

動画制作のヒアリングシートは、撮り直し・編集修正のコストを削減し、初稿通過率を上げる強力なツールです。本記事で紹介した必須項目10個・動画タイプ別8種のテンプレート・制作フェーズ別質問例・抽象要望の4軸具体化テクニック・失敗パターン対策を起点に、自社・自分の制作フローに合うヒアリングシートを作ってみてください。

動画制作の成果は、撮影テクニックや編集スキル以上に「ヒアリングで取った情報の質」で決まります。企画→撮影→編集→納品の各フェーズで適切な質問を入れ、決裁者・参考動画・権利範囲を丁寧に押さえることで、修正回数と利益率は確実に変わります。

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