プレスリリースの書き方・やり方を完全解説|失敗しない構成と会社選びの判断軸
- 2026/01/01
- 2026/01/01
目次
プレスリリースの書き方ややり方を調べていると、
・何をどこまで書けば十分なのか
・広告とプレスリリースは、実務上どう書き分けるのか
・この内容はニュースとして成立しているのか
といった判断に迷う場面が出てきますよね。
プレスリリースは、正解の型が一つに決まっている文書ではありません。一方で、評価されやすいものには共通する前提や構造があります。
本記事では、プレスリリースとは何かという基本整理から、広告・ニュースリリースとの違い、構造を前提にした書き方、配信までの流れ、よくある失敗例、会社選びの考え方までを実務目線で整理します。
プレスリリースとは?広告・ニュースリリースとの違い
プレスリリースとは、企業や団体が新しい取り組みや事実を社会に向けて公式に発表し、その情報をメディアに「ニュース素材」として提供するための文書です。新商品・新サービスの開始、調査結果の公開、業務提携、イベント開催など、企業活動の中でニュース性のある事実を伝える役割を担います。
重要なのは、プレスリリースは生活者に直接売り込むための文章ではないという点です。あくまでメディアが取材・編集する前提で提供され、記事として再構成される可能性を持つ文書です。そのため、企業の主観や感想よりも、事実関係や背景、社会的な意味が整理されていることが求められます。
「ニュースリリース」という言葉も使われますが、実務上はほぼ同義として扱われることが多く、書き方や構成に大きな違いはありません。まずは、プレスリリースは広告でも社内資料でもなく、「ニュースの素材」であるという前提を押さえることが、この先の理解につながります。
プレスリリースの役割と前提
プレスリリースの役割は、自社の活動について「評価や判断ができるだけの事実と背景を、過不足なく提示すること」にあります。
企業が伝えるべきなのは、何が起きたのか、なぜそれを行ったのか、社会や市場にどんな意味を持つのか、という判断材料です。
この前提を理解せずに書くと、自社の主張や感想が前に出すぎてしまい、「情報は多いのに何がニュースなのか分からない」状態になりがちです。
広告との決定的な違い
プレスリリースと広告の決定的な違いは、判断の主体が誰にあるかにあります。
広告は、企業が伝えたいメッセージを自ら設計し、費用を支払ってそのまま届ける手段です。表現内容や見せ方、掲載場所まで企業側がコントロールできます。
一方、プレスリリースは評価を目的とした文章ではありません。何が起きたのか、なぜその情報が重要なのかといった事実と背景を整理し、価値判断をメディアや読者に委ねるための文書です。
この性質上、プレスリリースでは「すごい」「便利」「業界No.1」といった評価表現を前面に出すことは適切ではありません。求められるのは、評価に必要な情報を過不足なく提示し、読み手が自ら判断できる状態をつくることです。
この判断構造の違いこそが、広告とプレスリリースを分ける本質的な線だと言えます。
プレスリリースの基本構成と書き方
プレスリリースは、文章力よりも構造で成果が決まるため「読み飛ばされても意味が伝わる構成」が求められます。
読み手の多くは一般読者ではなく、限られた時間で大量の情報を処理する忙しいビジネスマンというケースが多いでしょう。
そのため、どこまで読まれても少なくとも事実関係とニュースの中身が把握できる設計が必要となり、この前提を形にしたものが逆三角形の構成です。
全体構成は逆三角形が基本
逆三角形な構成とは、最初に最も重要な情報を置き、その後に補足や背景を重ねていく構成のことです。
冒頭で結論や事実を示すことで、途中までしか読まれなくてもニュースの要点が伝わる設計になります。
プレスリリースは最後まで読まれる前提ではないため、この逆三角形の構成が基本となります。
タイトルの書き方
タイトルは、プレスリリースの中で最も読まれる部分です。本文を読むかどうかは、ほぼタイトルだけで判断されます。そのため、25〜30文字程度を目安に、何のニュースなのかが一目で分かる表現にします。
重要なキーワードは前半に置き、抽象的なキャッチコピーは避けます。タイトルの役割は興味を引くことではなく、内容を正確に伝えることです。この前提を守るだけで、広告的なタイトルは自然と減っていきます。
リード文の書き方(5W2Hで要約)
リード文は本文の要約です。誰が、何を、いつ、どこで、なぜ行ったのかを簡潔にまとめ、本文を読まなくてもニュースの中身が把握できる状態をつくります。
ここで重要なのは、情報を増やさないことです。背景説明やストーリーは本文に回し、事実関係だけを確定させます。5W2Hを軸に整理することで、曖昧な表現や抜け漏れを防ぎやすくなります。
本文の書き方(結論先出し・1テーマ)
本文では、最初に何が発表されたのかを明確に示し、その後に詳細や背景を補足します。結論を後回しにすると、途中で読み飛ばされた際にニュースが伝わりません。
また、1つのプレスリリースにつきテーマは1つが原則です。情報を盛り込みすぎるほど、何がニュースなのかが分かりにくくなります。事実、数字、背景を中心に構成し、評価は読み手に委ねます。
会社概要・問い合わせ先の書き方
会社概要と問い合わせ先は、記事化や取材を前提にした情報です。会社概要では、事業内容が一目で分かるよう簡潔にまとめます。
問い合わせ先では、実際に連絡が取れる担当者情報を明記します。情報が不足していると、内容が良くても後回しにされる可能性があります。読み手が次の行動に移りやすい状態をつくることが、このパートの役割です。
プレスリリースを書く前に知っておくべき考え方
ニュースバリューとは何か
ニュースバリューとは、その情報が「他者にとって知る価値があるかどうか」を判断する軸です。プレスリリースにおけるニュースバリューは、企業の主観ではなく、読み手や社会の関心を基準に決まります。
代表的な要素としては、新規性、社会性、時事性、意外性、影響範囲の広さなどが挙げられます。ただし、これらをすべて満たす必要はありません。重要なのは、自社の出来事がどの要素に当てはまるのかを明確にすることです。
ニュースバリューが定まらないまま書き始めると、情報は事実として正しくても、「なぜ今それを出すのか」が伝わらず、埋もれやすくなります。
自社の出来事をニュースに変える視点
自社の中では当たり前に見える出来事でも、視点を変えることでニュースになります。新サービスそのものではなく、その背景にある社会課題や業界変化に目を向けることで、意味づけが変わります。
たとえば「新機能を追加した」という事実だけでは弱くても、「どんな不便を解消するのか」「誰の行動がどう変わるのか」を示せば、ニュースとしての輪郭が生まれます。自社視点ではなく、外から見たときにどこが変化点になるのかを探すことが重要です。
この視点を持ったうえで構成に落とし込むことで、プレスリリースは単なるお知らせではなく、判断される価値のある情報へと変わります。次のセクションでは、こうした考え方を踏まえたうえで、実際によくある失敗パターンを整理していきます。
プレスリリースのやり方|配信までの流れ
プレスリリースは、書いて終わりではありません。企画から配信後までを一連の流れとして設計することで、はじめて効果が安定します。以下は、最低限押さえておくべき4つの工程です。
①企画・ネタ整理
最初に行うべきは、書くことではなくネタの整理です。その出来事にニュースバリューがあるのか、どの視点で切り取れば社会的な意味が生まれるのかを確認します。
この段階で「なぜ今出すのか」「誰にとって意味があるのか」が言語化できていない場合、原稿を書いても内容はぼやけます。企画は文章化の前提条件であり、ここを省くほど後工程が不安定になります。
②原稿作成と素材準備
企画が固まったら、逆三角形の構成に沿って原稿を作成します。タイトル、リード文、本文の順で要点を整理し、1テーマに絞って書き切ることが重要です。
同時に、画像や図表、参考資料などの素材も準備します。素材は情報を補足するためのものであり、装飾ではありません。記事化された際にそのまま使われる前提で用意することで、取り上げられる可能性が高まります。
③配信方法(配信サービス/直接送付)
配信方法は、大きく分けて配信サービスを使う方法と、メディアに直接送付する方法があります。
配信サービスは、一度に多くのメディアへ届けられる反面、情報量が多いため埋もれやすい側面もあります。一方、直接送付は手間がかかりますが、テーマと親和性の高いメディアに絞って届けられます。
どちらが正解というより、ニュースの内容やリソースに応じて使い分けることが重要です。
④配信後にやること
配信後は、掲載有無の確認で終わらせてはいけません。どのメディアに取り上げられたのか、どの切り口が使われたのかを確認し、次回の企画に活かします。
また、掲載実績は営業資料や採用広報、オウンドメディアにも転用できます。プレスリリースは単発施策ではなく、積み重ねることで効果が出る広報資産です。この視点を持つことで、配信の価値は大きく変わります。
プレスリリースでよくある失敗例3つ
1.情報を詰め込みすぎる
伝えたい情報が多いほど、一つのプレスリリースに詰め込みがちになります。しかし情報量が増えるほど、ニュースの焦点はぼやけてしまいます。
プレスリリースは1テーマが原則です。新サービスの発表なのか、調査結果の公開なのか、イベント告知なのか。主軸が定まらないまま書くと、読み手は「結局何のニュースなのか」を判断できません。
書き始める前に、「今回、読み手に判断してほしい事実は何か」を一つ決めておくことが有効です。それ以外の情報は削るか、別のプレスリリースとして切り出すことで、ニュースの輪郭がはっきりします。
2.広告コピーになってしまう
プレスリリースを書いているつもりでも、表現が広告コピーに寄ってしまうケースは少なくありません。「画期的」「圧倒的」「業界初」といった言葉は、無意識のうちに使われやすい表現です。
この失敗は、文章の問題というよりも、立場の取り違えから起こります。企業側が先に評価を提示してしまうと、読み手は判断する余地を失い、ニュースとして受け取りづらくなります。
書く際には、「評価している文になっていないか」を一度確認してみるとよいでしょう。事実や変化点、数字に置き換えられる部分があれば、表現を差し替えるだけで広告色は大きく薄まります。
3.誇張・根拠不足のリスク
注目を集めようとするあまり、表現が強くなりすぎることもよくある失敗です。特に「日本初」「No.1」「唯一」といった表現は、根拠が曖昧なまま使うと信頼性を損なうリスクがあります。
問題は言葉の強さではなく、裏付けが示されているかどうかです。調査条件や比較範囲、時点を明示できない場合、その表現は読み手に不安を与えます。
強い言葉を使う前に、「この主張を支える事実を説明できるか」を確認してみてください。根拠を示せない場合は、表現を一段落とすことで、かえって誠実さが伝わります。
プレスリリース会社の種類と選び方
「プレスリリース会社」と検索する人の多くは、すでに配信の必要性は理解しています。悩んでいるのは、どこまでを外に任せ、どこを自社で持つべきかという点です。
プレスリリース関連の会社は、大きく分けると役割が異なる2種類に分類できます。
配信サービス型とPR会社の違い
配信サービス型は、完成したプレスリリースを多くのメディアに届けることに特化した仕組みです。原稿は基本的に自社で用意し、配信先の網羅性や即時性を重視します。短期間で情報を広く届けたい場合や、定型的な発表には向いています。
一方、PR会社は「何をどう伝えるか」という企画設計から関わる存在です。ニュースの切り口づくり、記者視点での構成調整、場合によってはメディアへの個別アプローチまでを担います。その分コストはかかりますが、露出の質を重視する場合には有効です。
違いはサービス内容ではなく、どこまでを代行してもらうかにあります。
内製か外注かの判断基準
内製か外注かを判断する際に重要なのは、文章力の有無ではありません。判断軸は、社内に「ニュースとして整理する視点」があるかどうかです。
自社で、テーマの取捨選択や情報の整理、事実と主張の切り分けができる場合は、配信サービスを使った内製運用でも十分に回せます。反対に、「何をニュースとして出すべきか」で毎回迷う場合は、外部の視点を入れたほうが結果につながりやすくなります。
無理にすべてを内製化する必要はなく、企画だけ外注し、執筆や配信は社内で行うという分担も現実的な選択肢です。
自社に合うプレスリリース会社の考え方
自社に合う会社を選ぶうえで大切なのは、「記事化してもらえるかどうか」だけを基準にしないことです。重要なのは、自社の状況に合った役割分担ができるかです。
定期的に発表するニュースがあるのか、単発の発表なのか。業界特化のメディアを狙いたいのか、まずは露出量を増やしたいのか。こうした前提によって、選ぶべき会社は変わります。
まずは「自社がどこで詰まっているのか」を整理したうえで、その部分を補ってくれる会社を選ぶ。この考え方で見ていくと、必要以上に迷わず判断できるようになります。
調査データは「粒度」で差がつく。詳細データを収集するには?
調査や構想を軸にしたプレスリリースがすべる原因は、データそのものではなく、情報の粒度が受け手の判断に耐えていない点にあります。
日経クロストレンドで紹介されたレノボ・ジャパンの事例がわかりやすいでしょう。
同社が発表した「Kind City構想」は、社会課題やZ世代の意識をテーマにした意義のある取り組みでした。しかし、実際の露出はネットニュース1本にとどまりました。広報責任者自身が振り返っている通り、原因は「内容が弱かったから」ではありません。
受け手である記者からは、「唐突だった」「何がやりたいのか分からなかった」という反応が返っています。
ここで問題になったのは、調査や構想の“背景の粒度”です。
なぜレノボがその課題に向き合うのか、どの文脈でその取り組みが生まれたのか、従来の活動と何が違うのか。社内では共有されていた前提が、リリース上では省略されていました。結果として、情報は事実として存在していても、記者が判断や解釈を行うための材料が不足していたのです。
この事例が示しているのは、他社でも語れるレベルの情報はニュースとして成立しにくい、という現実です。
「社会貢献」「Z世代」「SDGs」といったテーマ自体は珍しくありません。だからこそ、どの立場から、どの問題意識で、どこまで踏み込むのかという粒度がなければ、既存の文脈に埋もれてしまいます。
詳細なデータや情報を収集するとは、単に設問を増やしたり数字を細かくすることではありません。「なぜこの会社がこのテーマを扱うのか」「この結果は、業界や社会のどんな変化を示しているのか」といった判断材料を、受け手が自力で補完しなくても済む状態まで提示することです。
調査や構想をリリースに使う場合は、結果より先に前提をどこまで説明するかが問われます。その粒度を意識して設計された情報だけが、記者にとって「記事にできる素材」になります。
情報収集を行う際におすすめのツール『Interviewz』
プレスリリースの設計や調査データの粒度を高めるうえでは、質の高い情報収集が前提になります。第三者評価や背景の文脈を補うためのデータは、単に集計するだけでなく、調査対象者のコメントや潜在的なニーズデータがあると、判断材料が格段に強くなります。
そのような情報収集を効率的かつ精度高く行うためのツールとしておすすめなのが『Interviewz』(インタビューズ)です。
Interviewzはインタビューやアンケートをオンラインで実施できるプラットフォームで、ユーザーの生の声や具体的な理由・背景まで引き出すために使える設問設計や配信機能を備えています。
具体的には、
- ターゲット属性ごとの深掘りインタビュー
- 自由回答データの集計・タグ付け
- 分布だけでなく、言語化された声の解析
- 調査結果の切り口づくり支援
といった機能を通じて、数字だけでは見えない意味づけのレイヤーをデータ化できます。こうした粒度の高い情報は、プレスリリース本文の「背景説明」「変化の理由」「社会的意義」の部分を補強する際に役立ちます。
たとえば単純な「○%がこう答えた」という結果ではなく、「どんな課題意識の下でその回答が出たのか」という文脈ごとの傾向を示せれば、それだけでニュース性が上がります。このようなデータ収集が必要と思われるテーマには、Interviewzのようなツールの併用が効果的でしょう。
プレスリリースの書き方・やり方に関するよくある質問
Q1.文字数やボリュームの目安は?
目安はA4で1〜2枚、文字数でいえば800〜1,500字程度です。ただし、重要なのは文字数そのものではなく、情報が一枚目に収まっているかどうかです。
最初の一枚で事実とニュースの中身が伝わる構成になっていれば、補足として2枚目があっても問題ありません。逆に、要点が後半に埋もれている場合は、文字数が少なくても伝わりにくくなります。
Q2.配信タイミングはいつが良い?
一般的には、平日の午前中が最も目に留まりやすいとされています。特に週明けは情報整理のタイミングと重なるため、チェックされやすい傾向があります。
一方で、業界イベントや大型ニュースが重なる日は埋もれやすくなります。絶対的な正解はないため、「誰に読まれたいか」を基準に、相手の動きやすい時間帯を想像して決めるのが現実的です。
Q3.専門用語や英語表記はどこまで使える?
原則として、専門用語は最小限にとどめたほうが安全です。業界内では常識の言葉でも、記者や編集者にとっては説明が必要な場合があります。
どうしても使う場合は、初出で簡単な補足を入れるか、言い換え表現を添えると伝わりやすくなります。英語表記も同様で、略語だけで進めず、日本語での説明を併記しておくと誤解を防げます。
まとめ|プレスリリースは「書き方」より「設計」で決まる
プレスリリースで成果を分けるのは、文章の上手さではありません。誰に、何を、どの事実で判断してもらうのか。その前提をどれだけ整理できているかが結果を左右します。
逆三角形の構成で要点を先に出し、1リリース1テーマに絞る。広告的な評価は避け、事実と根拠で組み立てる。これらはすべて、読み手である記者や編集者の判断プロセスを前提にした設計です。
書き方やテクニックに迷ったときほど、「今回、判断してほしい事実は何か」「途中まで読まれても伝わるか」という設計の視点に立ち返る。その積み重ねが、記事化されるプレスリリースにつながります。
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