派遣スタッフを採用するまでの流れとは?注意点やコストなども解説
- 2022/10/13
- 2023/10/25
目次
人材不足を解消するために派遣スタッフを採用する会社が多くなっています。
しかし、派遣スタッフを採用するコストや採用するまでの流れが分かっていない方も多いのではないでしょうか。
一見、気軽に雇用可能な派遣スタッフですが、採用までの注意点なども多く存在します。本記事では派遣スタッフを採用するまでの流れや必要コストなどを解説します。これから派遣スタッフの採用を検討されている方は参考にしてください。
そもそも派遣スタッフとは?
派遣スタッフとは派遣会社と雇用契約を結んだ上で、派遣先の企業に就業するスタッフを指します。給与は派遣会社から支払われ、契約は一般的に3ヶ月に1度更新されます。
正社員と派遣スタッフには、雇用形態や制度など異なる点がいくつか存在します。以下では、派遣スタッフの種類や正社員との違いをご紹介します。
派遣スタッフの種類
派遣スタッフには二つの登録種類があります。種類によって登録期間や社員登用義務などの契約条件が異なるため、仕組みを理解した上で、派遣スタッフを採用しましょう。
有期雇用派遣
有期雇用派遣は、派遣登録の中でオーソドックスな雇用形態です。人材は派遣元の会社と期間を定めた雇用契約を結び、採用する企業へ派遣する流れになります。
有期雇用派遣は、定められた期間が終了すると派遣元の会社との雇用契約が切れるため、期間を過ぎれば採用企業からも退社するケースが一般的です。
また、有期雇用派遣の最長雇用期間は3年と定められています。
しかし、採用側企業から雇用期間が終了した派遣スタッフの雇用の打診をした場合は、雇用先が変わった状態で働くスタッフもいます。
無期雇用派遣
無期雇用派遣とは、派遣元会社が従業員として常時雇用している人材を出向という形で採用側企業へ派遣するスタッフを指します。
無期雇用派遣は有期雇用派遣のような雇用の期間がなく、本人の意志で定年退職まで働き続けられる雇用形態です。
無期雇用派遣の人材は専門性に長けている人材が多く、情報技術や生産管理など専門分野は多岐に渡ります。
派遣スタッフと正社員の違い
派遣スタッフは正社員と待遇などが違うことは、なんとなく理解はできますが明確に何が違うのでしょうか。
正社員は、実際に働く企業に雇用された従業員であり給与や待遇、社会保障などの雇用に関する制度も働く場所の企業にあります。
一方、派遣スタッフは人材派遣会社と雇用契約を結んだ上で、他の企業に派遣されるスタッフのことを指します。そのため、派遣スタッフは実際に働く場所の企業との雇用関係はなく派遣元会社との雇用関係にあります。
派遣スタッフを採用するまでの流れ5ステップ
派遣スタッフを受け入れる際は、いくつかのステップを踏んで採用まで進めます。
派遣スタッフは雇用先が派遣元会社のため、スタッフの希望はもちろん派遣元会社との雇用条件や業務内容の話し合いなどの業務があります。
派遣スタッフを採用するまでのステップを5つに分けて解説します。
ステップ1.派遣会社の選定をする
派遣スタッフを採用する場合、まずは派遣会社の選定を行いましょう。
派遣スタッフは派遣会社に所属しているため、採用する際は派遣会社に依頼を行わなければなりません。
派遣会社を選ぶ際は自社に受け入れたいスタッフの能力を明確にした上で、その能力を持っている派遣スタッフが多く所属している派遣会社を選ぶようにしましょう。
ステップ2.派遣会社に条件を伝える
派遣会社の選定ができれば、派遣会社と話し合い、自社の採用できる条件を伝えましょう。
派遣会社へ条件を明確に伝えておかないと、業務内容の認識違いや派遣スタッフのミスマッチに繋がります。また、業務内容の違いは派遣されたスタッフの辞める原因にもなります。
条件を伝える際は、できるだけ丁寧に認識違いが起きないように伝えましょう。
派遣会社に伝えるべき条件は主に以下の4つになります。
募集背景
就業の開始時期と期間
シフトや就業時間などの就業条件
実務経験やスキル、資格などの希望
ステップ3.派遣会社から紹介を受ける
希望条件を元にスキルや業務条件に合ったスタッフの紹介を受けましょう。
スタッフ紹介は、採用確定者ではなくあくまで候補者という認識になります。提出された候補者の経歴やスキルを確認して、条件に相違がないかチェックしましょう。
万が一、条件の認識が間違っていた場合は迅速に相談し条件のすり合わせが必要です。
ステップ4.派遣スタッフとの顔合わせをする
候補者の確認を行えれば、派遣会社の担当者の元で顔合わせを行います。
今後同じ職場で働く可能性のあるスタッフのため、コミュニケーションを積極的にとり一緒に働きたいと思ってもらえるようなアピールをしましょう。
万が一、人柄の条件に合わない場合は派遣会社に相談して同意が得られれば、採用を見送ることも可能です。
ステップ5.派遣スタッフの受け入れ準備を行う
顔合わせを行い派遣スタッフの条件や人柄がクリアできれば、派遣スタッフを受け入れる準備を行いましょう。
採用する派遣スタッフが、スムーズに業務できるように社内への周知や設備の準備、業務依頼のマニュアルなどの事前準備を行っておくと、派遣スタッフはすぐの業務に着手できます。
仕事のしやすい環境は採用する派遣スタッフの印象が良くなるため、従業員にも協力してもらいながら行うことがおすすめです。
派遣スタッフを採用する3つのメリット
派遣スタッフを採用するまでには、条件のすり合わせや実際に働くスタッフの情報を事前に知った上で採用を進めます。
では、派遣スタッフを採用したことで企業はどのようなメリットが生まれるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
メリット1.人手不足の解消
近年の少子高齢化の加速に伴い、企業の人材不足は大きな課題になっています。派遣スタッフの採用は業務を行える人数の増加に直結し、企業の人材不足解消に繋がります。
人材不足の解消は正社員との業務分担が明確にできるため、派遣スタッフは任せられている業務へ集中しやすくなります。
メリット2.業務効率化
派遣スタッフを採用することで、社内全体の業務効率化にも期待できます。
派遣スタッフはアシスト業務や単純な業務が多く、正社員は難しい仕事や責任を伴う業務へ集中できる体制が取れます。
正社員と派遣スタッフで業務を明確にすることで、正社員の業務量も軽減でき残業業務の削減にも繋がるため、業務の効率化が可能となります。
メリット3.コスト削減
派遣スタッフは雇用先が派遣元会社であり給与の支払いも派遣会社が行うため、人材の確保を行いながら正社員を雇用するよりもコストを抑えることが可能になります。
また、派遣スタッフの採用はあらかじめスキルを確認した上で採用するため、時間をかけずに即戦力の人材を確保ができます。
派遣スタッフの採用は、費用と時間の2つのコストを軽減できます。
派遣スタッフ採用における注意点5つ
派遣スタッフの採用は企業の人材不足や業務効率化に繋がり、多くのメリットを生むことが分かりました。
しかし、派遣スタッフはあくまでも自社の人材ではなく派遣会社所属の人材のため、採用する上での注意点がいくつかあります。
注意すべき項目を理解した上で、派遣スタッフの採用を行いましょう。
注意点1.帰属意識が低い
派遣スタッフは前向きに自社で働いてくれる場合が多いですが、必ずしも企業の一員と意識して業務を行っているとは限りません。
派遣スタッフの雇用先は派遣会社のため、自分の所属先は派遣会社と思っている派遣スタッフも多く帰属意識が低いスタッフもいます。
社員との温度差が大きいと早期離職にも繋がるため、人間関係や社員の接し方などに気を配る必要があります。
注意点2.育成コストがかかる場合もある
派遣スタッフは時間のコストをかけずに即戦力になるケースもありますが、システムの説明や社内ルールに乗っ取った業務の仕方など育成に時間を有する場合があります。
また、想像していたよりもスキルが足らない場合は、企業が教育しなければ業務に支障が出る可能性もあります。
派遣スタッフを採用する際は、ある程度は教育コストがかかると予想しておきましょう。
注意点3.通常派遣では選考面接ができない
派遣スタッフを採用する際に、採用企業側が選考面接を行うことは法律で禁止されています。
派遣スタッフとの事前顔合わせは行えますが、基本的には選ぶのではなく迎え入れることが前提になります。
そのため、スキルや労働条件をクリアしている人材が派遣される可能性もあり、企業の求めている人柄や人格ではない場合があります。
注意点4.派遣スタッフに任せられない業務もある
派遣スタッフの業務範囲は契約で決められているため、契約以外の業務を任せることはできません。
また、スタッフ本人が意欲的な場合でも、契約以外の業務依頼はトラブルに発展する可能性があるため注意しましょう。
注意点5.派遣スタッフと正スタッフの間に壁を作らない
派遣スタッフは雇用先が派遣元会社ですが職場は派遣採用企業です。
派遣スタッフと正スタッフに立場の違いはありませんが、業務内容や職場への働き方から接し方を変えてしまい壁を作ってしまうと派遣スタッフはコミュニケーションをとりづらくなります。
正スタッフが壁を作ってしまうと、職場への環境が良くないと感じてしまい離職数の増加にも繋がります。
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派遣スタッフ採用に発生するコスト
派遣スタッフの採用にはコスト削減が期待できますが、採用までには一定のコストは発生します。
コストの費用帯やどのタイミングで必要かを理解しておくと、事前に準備しておけます。派遣スタッフを採用する上で発生するコストを把握しておきましょう。
採用に発生するコストの内訳
派遣スタッフを採用した際には大きく分けて2つの費用が必要となります。必要なコストの内容を理解した上で派遣スタッフの採用を進めましょう。
初期費用
派遣スタッフを採用する際には、受け入れに必要な初期費用が発生します。
採用後スムーズに業務を始められるように設備の準備や研修に関する費用などが必要になります。
研修などは必ず行うものではありませんが、業務に対する設備の充実さは信用性が上がるためおすすめです。
継続費用
派遣スタッフを採用すると業務に対しての報酬を派遣元会社に支払う必要があり、派遣スタッフの継続費用が発生します。
継続費用は業種によって異なるため明確な費用帯は名言できませんが、平均的に約23,000円程度です。
職種別費用相場
派遣スタッフへの継続費用の相場は職種によって異なり、費用の差は10,000円程度です。
派遣スタッフは費用で職種を決める場合もあるため、自身の職種はどの程度なのか参考にしましょう。
主な職種の派遣スタッフ費用は以下になります。
No
職種
派遣スタッフ費用(派遣元会社)
派遣スタッフ賃金
1
接客業
13,300円
9,300円
2
商品販売業
14,150円
9,900円
3
一般事務
15,400円
10,600円
4
営業
16,400円
11,000円
5
会計事務業
16,500円
11,300円
6
助産師、看護師
21,000円
14,300円
7
製造技術業
24,150円
15,400円
8
管理業
26,100円
18,900円
9
測量技術者
28,600円
18,500円
10
全業平均
23,000円
14,800円
派遣スタッフの採用についてまとめ
本記事では派遣スタッフの採用のメリットや注意点について解説しました。
派遣スタッフを採用する際は、接し方や業務依頼に制限があるなど注意するべき点がいくつかあります。
しかし、新しい従業員を雇用するリスクやコストに比べて、派遣スタッフの採用はコストやリスクの軽減ができるため企業にとっては安心して人材の確保が可能になります。
人材不足や業務の効率化を目的として派遣スタッフの採用を検討している企業は、本記事を参考にしてください。
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