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顧客インサイトの調査方法とは?重要性やニーズとの違い、活用方法を解説

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顧客インサイトとは、顧客の行動や動機、感情などを深く理解することです。顧客インサイトを得ることで、顧客が持つ「本当のニーズや問題点」を把握できるため、より効果的なマーケティングや商品開発が可能です。

ただし、顧客インサイトを調査する方法は、一般的な市場調査やアンケートとは異なります。また、混同されがちな顧客ニーズとも考え方が異なるため、注意が必要です。

そこで今回は、顧客インサイトの調査方法や重要性、ニーズとの違い、効果的な活用方法を徹底解説します。企業のマーケティングに携わる方は、ぜひ参考にしてください。

顧客インサイトとは?意味や重要性を解説

顧客インサイトの意味

顧客インサイトとは、顧客の潜在的な欲求や本音、心理などを深く理解することです。

顧客インサイトを分析することで、顧客の本当のニーズや問題点を把握し、より効果的なマーケティングや商品開発が可能となります。

顧客インサイトの重要性

顧客インサイトの重要性は、以下の3つの点にあります。

  • 新たな需要の開拓につながる
  • 競合との差別化のヒントになる
  • 市場での認知度の向上につながる

顧客インサイトを見つける方法は、インタビューやアンケート、行動観察調査、SNS分析などが挙げられます。これらの方法を組み合わせて、顧客の言葉や行動から隠されたインサイトを探っていくことが必要です。

顧客インサイトと顧客ニーズの違い

顧客ニーズとは、顧客が自覚している欲求や要望、解決したい問題などです。

例えば「もっと安い商品が欲しい」「もっと便利なサービスが欲しい」「もっと早く届けてほしい」などが顧客ニーズです。

一方、顧客インサイトとは、顧客が自覚していないか、言葉にできない潜在的な欲求や本音、心理などを指します。

例えば「自分の価値観を表現したい」「自分の人生に意味を感じたい」「自分の仲間とつながりたい」などが顧客インサイトの一例です。

顧客インサイトが顧客ニーズよりも深層にあることは、以下の例でわかります。

顧客ニーズは、顧客が自分で言語化できることが多いです。例えばある顧客が「もっと安い商品が欲しい」と言ったとします。この場合、顧客は自分のニーズを明確に伝えています。

一方、顧客インサイトは、顧客が自分で気づいていないことが多いのが特徴です。例えばある顧客が「もっと安い商品が欲しい」と言ったとします。しかし、その顧客が本当に求めているのは、自分の価値観に合った商品や、自分の人生に意味を感じさせる商品なのかもしれません。この場合、顧客は自分のインサイトに気づいていないと考えられます。

そこで、顧客インサイトを見つけるためには、顧客の言葉だけでなく、行動や感情、背景などを深く観察することが必要です。顧客インサイトを見つけることで、顧客の本当のニーズや問題点を把握し、より効果的なマーケティングや商品開発が可能となります。

顧客インサイトの見つけ方と注意点

顧客インサイトの見つけ方

顧客インサイトを見つけるには、以下のようなリサーチ方法が効果的です。

インタビュー調査

インタビュー調査とは、質問への回答を通じて購買行動や購買意識を調べる方法です。

行動観察調査

行動観察調査とは、消費者と同じ環境で話を聞く、あるいは定点観測で行動の傾向を調べる方法です。

MROC(マーケティング・リサーチ・オンライン・コミュニティ)

MROCとは、インターネット上で特定のテーマに関心のある消費者を集めて、オンラインで意見交換やディスカッションを行う方法です。

コラージュエクササイズ

コラージュエクササイズとは、消費者に自分の好きな画像や言葉を切り貼りしてコラージュを作ってもらい、その理由や感想を聞く方法です。

これらの方法は、消費者の本音や深層心理を引き出すのに有効です。

顧客インサイトを見つける際の注意点

ただし、顧客インサイトは本人も自覚していない場合が多いため、質問の仕方や内容に工夫が必要となります。例えば、以下のようなポイントに注意が必要です。

オープンエンドの質問を使うこと

「なぜ?」や「どうして?」といったオープンエンドの質問を使うことで、消費者に自由に話してもらうことができます。

クローズドエンドの質問(はい・いいえで答えられる質問)は、消費者の回答を制限してしまうので避けましょう。

投影法を使うこと

消費者に自分の感情や思考を直接聞くのではなく、他者や物に投影させることで、無意識の欲求や感情を引き出すことができます。

例えば「この商品はどんな人が使っていると思いますか?」や「この商品が話せるとしたら、何と言っていますか?」といった質問が投影法の一例です。

ファーモグラフィックデータを使うこと

消費者の年齢や性別、職業、家族構成、趣味、価値観などのライフスタイルに関するデータを使うことで、消費者の嗜好や動機を理解することができます。

ファーモグラフィックデータは、消費者のセグメンテーションやペルソナ作成にも役立ちます。

顧客インサイトの分析方法

顧客インサイトの分析方法は、大きく以下の3つのステップに分けられます。

  1. 必要なデータを収集・統合する
  2. 収集したデータを分析する
  3. 分析結果を精査して顧客インサイトを定める

それぞれのステップについて、詳しく説明します。

1. 必要なデータを収集・統合する

顧客インサイトを分析するためには、まず顧客の購買行動や購買意識に関するデータを収集する必要があります。データの収集方法には、インタビューやアンケート、ソーシャルリスニング、ビッグデータ分析などが効果的です。

また、収集したデータは、分析の目的に応じて統合・整理・加工する必要があります。そこで、データの統合・整理・加工には、CDPやプライベートDMPなどのデータベースや、アクセス解析ツールなどのシステムが役立ちます。

2. 収集したデータを分析する

統合・整理・加工したデータを分析するためには、仮説を立てて検証することが重要です。仮説とは、顧客の本質的な欲求や感情、購買行動の背景や動機などを想定するものです。

仮説の検証には、さまざまなフレームワークが活用できます。代表的なフレームワークには、収集した顧客情報をもとにターゲットとなる顧客を想定する「ペルソナ分析」や、6つの要素から顧客の状況や感情を把握する「共感マップ」、顧客の購買プロセスを可視化する「カスタマージャーニーマップ」などがあります。

3. 分析結果を精査して顧客インサイトを定める

分析したデータをもとに、顧客インサイトを定めるためには、分析結果を精査することが必要です。

分析結果を精査する際は、以下のようなポイントに注意しましょう。

  • 分析結果が顧客の本質的な欲求や感情を反映しているかどうか
  • 分析結果が顧客の購買行動の背景や動機を説明できるかどうか
  • 分析結果が競合との差別化や新たな市場の創出につながるかどうか

顧客インサイトの活用方法

顧客インサイトを活用する方法には、以下のようなものがあります。

商品開発に活用する

顧客インサイトをもとに、顧客が求める価値や体験を提供する商品やサービスを開発することが可能です。

例えば、顧客が「映画を見ることでリラックスしたい」というインサイトを持っている場合、そのインサイトに応えるような映画鑑賞サービスを提供することができるでしょう。

マーケティング戦略に活用する

顧客インサイトをもとに、顧客に魅力的なメッセージやコミュニケーションを行うことが可能です。

例えば、顧客が「束縛された日常から解放されたい」というインサイトを持っている場合、そのインサイトに訴えるような広告やキャンペーンを展開することができるでしょう。

競合との差別化に活用する

顧客インサイトをもとに、他社とは異なる付加価値や特徴を打ち出すことができます。

例えば、顧客が「自分本来のライフスタイルを実現して幸せに浸りたい」というインサイトを持っている場合、そのインサイトに合わせたオリジナルの商品やサービスを提供することで、競合との差別化を図ることが可能です。

認知度の向上に活用する

顧客インサイトをもとに、顧客の共感や感動を引き出すことができます。

例えば、顧客が「自分の好きな料理を自由にゆっくりと味わうことで心身ともにリラックスしたい」というインサイトを持っている場合、そのインサイトに沿った口コミやレビューを集めることで、市場での認知度を向上させることができるでしょう。

顧客インサイトの活用時の注意点

上記のように、顧客インサイトを活用することで、新たなニーズや市場を発見したり、競合との差別化や認知度向上につなげたりすることが可能です。

しかし、顧客インサイトを活用する際には、以下のような注意点があります。

顧客インサイトは可視化するのが難しい

顧客インサイトは、顧客自身も自覚していない深層心理であるため、具体的に表現したり、数値化したりするのが難しい場合があります。

そのため、顧客インサイトを活用する際には、社内で共通のフレームワークや基準を持つことが重要です。

顧客インサイトを使用する際はエビデンスを示す

顧客インサイトは、顧客の無自覚の心理を探る行為であるため、検証やデータの裏付けを行い、さらに周囲からの理解を求めるのに時間がかかります。

そのため、顧客インサイトを活用する際には、インタビューやアンケート調査などによるエビデンスを提示できるようにしておくことが大切です。

訴求方法によっては企業の印象が悪くなるリスクがある

顧客の潜在意識に働きかけたいからといってストレートな表現を使いすぎると、企業の印象を悪くしてしまう恐れがあります。

顧客インサイトが顧客のコンプレックスにつながっている場合は特に注意が必要で、悪い印象を与えてしまい、かえって購入につながりにくくなる可能性があります。

そこで、訴求方法については、顧客インサイトに応じて選ぶことが重要です。

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顧客インサイトの活用に成功した事例3つ

顧客インサイトの活用事例としては、以下のような事例があります。

ファブリーズの事例

消臭剤のファブリーズは、顧客のニーズではなくインサイトに着目。顧客は自分の家のにおいに慣れてしまって気づかないことが多いというインサイトを発見し、自分の家のにおいに気づくことの重要性を訴求しました。

これにより、ファブリーズは消臭剤市場のリーダー的存在となりました。

大戸屋ごはん処の事例

和食チェーンの大戸屋ごはん処は、顧客のインサイトを活用してメニューを改良しました。顧客は「健康に気をつけている」と言いながらも、実際には「美味しくてボリュームのある食事」を求めているというインサイトを発見し、野菜をたっぷり使った「野菜たっぷり定食」を開発して提供したことで、売上を大きく伸ばしました。

液体洗剤ナノックスの事例

ライオン株式会社は、洗濯用コンパクト液体洗剤「トップ ナノックス」を開発。商品開発の当初、訴求ポイントは洗浄力でしたが、顧客には響きませんでした。

そこで、顧客は目に見える汚れではなく、においで洗濯の必要性を判断しているというインサイトを発見し、においに着目した広告を展開しました。これにより、ナノックスは半年間で約1,400万個を売り上げました。

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顧客インサイトの活用に失敗した事例2つ

一方、顧客インサイトの活用に失敗した事例として、以下のような事例が挙げられます。

マクドナルドの「サラダマック」の事例

マクドナルドは、健康志向の高まりに応えるために、ハンバーガーのバンズをレタスに置き換えた「サラダマック」を発売しました。しかし、顧客のインサイトは「ハンバーガーを食べるときはカロリーを気にしない」というものであり、「サラダマック」はヘルシーすぎてマクドナルドのイメージに合わないという反応が多く、売れ行きは芳しくありませんでした。

ユニリーバの「ドーブ リアル・ビューティー」の事例

ユニリーバは、女性の多様な美しさを讃える「ドーブ リアル・ビューティー」キャンペーンを展開しました。

しかし、このキャンペーンは、ユニリーバの他のブランドである「アクセ・エフェクト」や「フェア&ラブリー」が、男性の好みや白人の美しさを強調する広告を出していることと矛盾しているという批判を受けました。

また、キャンペーンに登場する女性たちも、実際にはメイクやレタッチを施されていたことが発覚し、信憑性に欠けるという声を受ける結果となりました。

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顧客インサイトのまとめ

このように、顧客インサイトは、市場競争が激化し、消費者のニーズが多様化した現代のマーケティングには欠かせない要素の1つと言えるでしょう。ただし、顧客インサイトには、可視化しにくいことや、訴求方法を誤ると逆効果となる可能性があるため、十分な理解と注意が必要です。

そこでこの記事を参考にして、顧客インサイトを深く把握・理解して、自社の商品やサービスに最適なマーケティング施策に落とし込むようにしてください。

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