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因子分析とは?意味・使いどころ・結果の見方を実務目線で解説

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アンケート結果や調査データを前にして、「項目が多すぎて何を見ればいいのか分からない」「数字は出ているのに、結論として何を言えばいいのか迷う」。そんな経験はありませんか。

因子分析は、こうした分析結果が“複雑すぎて判断できない状態”を整理するための手法です。多くの項目をそのまま追うのではなく、背後にある共通の軸や構造を見つけ出し、説明できる形に変えていきます。

一方で、因子分析は「とりあえずかければ答えが出る分析」ではありません。使いどころや結果の読み方を誤ると、かえって解釈がぶれることもあります。だからこそ、基本的な考え方や他手法との違いを理解したうえで使うことが重要です。

この記事では、因子分析とは何をする分析なのかという基礎から、活用シーン、結果の見方、他の分析手法との違いまでを、実務目線で整理して解説します。

因子分析とは?わかりやすく解説すると何をする分析か

因子分析とは、たくさんの質問項目や変数の背後にある「共通した意味のかたまり」を見つけ出す分析です。
アンケートや調査データを前にして、「項目が多すぎて、結局何が言いたいのかわからない」と感じた経験はありませんか。その“わからなさ”を整理するための手法が因子分析です。

たとえば、サービス満足度調査で「価格が安い」「コスパが良い」「料金が明確」「費用対効果が高い」といった項目が並んでいたとします。これらを一つずつ見ても判断は難しいですが、因子分析を行うと、これらが「価格価値」という一つの因子にまとめられることがあります。
つまり、表に出ている複数の質問を、意味ベースで圧縮・要約するのが因子分析の役割です。

総務省や大学の統計教育資料でも、因子分析は「多変量データの構造を把握するための代表的手法」と位置づけられています。項目数が多い調査ほど、人の直感では整理できなくなりますが、因子分析はその構造化を数理的に支援します。
ここで重要なのは、因子分析は「予測」ではなく「理解」のための分析だという点です。この違いが、使いどころを判断する重要な軸になります。

因子分析が生まれた背景・理由とは?

因子分析はもともと、人の能力や心理を“見えないまま放置できなかった”ことから生まれた分析手法です。
20世紀初頭、心理学や教育学の分野では、テストの点数や回答結果は集まるものの、「なぜこの人はこういう結果になるのか」を説明できないという課題がありました。

たとえば、国語・数学・英語・理科・社会の点数を並べても、その人の“特性”は見えにくい。そこで、「複数の科目に共通して影響している能力があるのではないか」という仮説が立てられました。この発想が、因子分析の原点です。
大学の心理統計の研究では、こうした共通因子を仮定することで、複雑なデータ構造を理解しやすくなることが示されています。

マーケティングリサーチでも事情は同じです。消費者アンケートは年々項目数が増え、「満足度」「重視点」「イメージ」などが細分化されてきました。その結果、単純集計やクロス集計だけでは、意思決定に使える示唆が出にくくなっています。
因子分析は、情報過多の状態から“意思決定できる形”に戻すための分析として、現在のマーケティング現場で再評価されているのです。

因子分析を使うと何ができるようになる?

因子分析を使う最大の価値は、「説明できる言葉」でデータを語れるようになることです。
単なる数値の羅列ではなく、「この市場では〇〇が重要」「この顧客層は△△を重視している」といった構造的な理解が可能になります。

たとえば、Deloitteなどのマーケティング分析事例でも、因子分析を用いて「価格重視」「品質重視」「体験重視」といった価値観軸を抽出し、その後のセグメンテーションや施策設計につなげています。
項目単位で見るとバラバラだったデータが、因子単位で見ることで一気に意思決定に近づく、というわけです。

また、因子分析は単体で完結する分析ではありません。
因子得点を使えば、クラスター分析で顧客をグループ分けしたり、重回帰分析の説明変数を整理したりと、後続分析の土台としても機能します。項目数を減らすことで、モデルの安定性や解釈性が向上する点は、実務では見逃せません。

一方で、因子分析は万能ではありません。意味づけには人の解釈が入るため、次のステップとして「どんなデータ・どんな手順で行うべきか」を理解しておく必要があります。
そこで次は、因子分析を実務で使う際の具体的な進め方に話を進めていきましょう。

因子分析を活用する具体シーン・事例

顧客満足度・ブランドイメージ調査

典型的なのが、顧客満足度やブランドイメージ調査です。
たとえば「価格が安い」「安心感がある」「サポートが丁寧」「使いやすい」「信頼できる」など、20〜30項目の評価を取ったものの、単純集計ではどれも平均点が高く、差が見えない。

こうしたケースで因子分析を行うと、「価格価値」「サポート品質」「ブランド信頼性」といった意味の軸が抽出され、どの軸が評価を左右しているのかが明確になります。

実際、マーケティングリサーチ協会や大学の調査研究でも、満足度やロイヤルティの要因整理に因子分析が用いられるケースは多く、「項目ベースではなく構造ベースで顧客を理解する」ことが重要だと指摘されています。

この構造が見えることで、改善施策も「この項目を上げる」ではなく「この因子を強化する」という設計に変わります。

サービス選定理由・重視点を整理する時

BtoBサービスの導入理由アンケートでは、「機能」「価格」「実績」「営業対応」「サポート体制」などが並びがちですが、因子分析を行うと「安心感」「費用対効果」「運用負荷の低さ」といった、意思決定者の思考単位に近い因子が浮かび上がります。
これにより、営業資料や訴求軸を“顧客の言語”に寄せて再設計できるようになります。

アンケート項目が多すぎて判断できない場合の活用例

アンケート項目を増やしすぎた結果、集計表を見ても結論が出せない。実務ではよくある悩みです。
因子分析を使うと、似た傾向の質問項目をまとめ、背後にある共通の評価軸として整理できます。

たとえば「価格が安い」「コスパが良い」「割引が魅力」といった項目は、「価格重視」という一つの因子に集約されます。
項目単位では見えなかった全体像が、数本の軸で把握できるようになるため、レポートや意思決定が一気に進みやすくなります。

セグメンテーションやクラスター分析前の前処理としての活用例

クラスター分析で顧客を分類しようとすると、項目数が多いほど結果が不安定になり、解釈も難しくなります。
このような場合、事前に因子分析で評価軸を整理しておくと効果的です。

因子得点を使ってクラスター分析を行えば、「価格重視層」「品質重視層」といった形で、特徴が明確なグループ分けが可能になります。

因子分析は単体で完結する手法というより、次の分析を成立させるための前処理として活用される場面も多いのが実情です。

因子分析の結果の見方は?5ステップで解説

ステップ1|まずは「因子がいくつ抽出されたか」を確認する

因子分析の出力結果を見たとき、最初に確認すべきなのは因子の数です。

ここで重要なのは「何個が正解か」ではなく、意思決定に使える数に収まっているかという観点です。

因子が多すぎると、結局また判断が難しくなります。一方で少なすぎると、元の情報を削りすぎてしまう。

寄与率や固有値を参考にしながら、「この因子数なら説明として使えそうか」を判断するのが実務的な見方です。

ステップ2|因子負荷量から「因子の中身」を読み取る

次に見るべきなのが因子負荷量です。これは各質問項目が、どの因子にどれだけ強く関係しているかを示しています。

この段階でやるべきことはシンプルで、「同じ因子に強く載っている項目」を並べて共通点を探すことです。

数値そのものよりも、「なぜこれらの項目が同じ因子に集まったのか」を考える方が重要になります。

ここで初めて、

  •  価格重視
  •  安心感
  •  利便性

 といった因子名の仮置きができるようになります。

ステップ3|寄与率・累積寄与率で“使える分析か”を判断する

因子の中身が見えてきたら、次は寄与率と累積寄与率を確認します。これは「今回抽出した因子で、全体のどれくらいを説明できているか」を示す指標です。

実務では、統計的に完璧かどうかよりも、「この因子構造で、施策や報告書に落とせるか」という観点で判断されることがほとんどです。

累積寄与率が一定以上確保できていれば、「この切り口で話をしてよい」と判断して問題ありません。

ステップ4|因子名をつけて意味づけを行う

因子分析で最も重要かつ、最も人の判断が入るのがこのステップです。

因子名は統計ソフトが自動で出してくれるものではなく、分析者が意味づけを行う必要があります

因子名を考える際は、「この因子が高い人は、どういう価値観を持っていそうか」「この因子は、どんな意思決定に影響しそうか」といった実務目線で考えると、後工程につなげやすくなります。

ステップ5|因子得点を使って“次の分析”につなげる

最後に確認するのが因子得点です。因子得点を見ることで、回答者一人ひとりが各因子をどの程度持っているかを比較できます。

この因子得点を使えば、

  • セグメントごとの特徴把握
  • クラスター分析による分類
  • 重回帰分析の説明変数として活用

といった、次の分析に自然につなげることが可能になります。

因子分析をExcelでやる場合の手順とは?

因子分析をExcelでやる場合の手順とは?

因子分析はExcelでも実施できますが、正直に言うと「やろうと思えばできるが、向き・不向きがはっきり分かれる方法」です。

そのため、この章では細かな操作手順には踏み込まず、Excelで因子分析を行う際に最低限知っておくべき流れと注意点だけを整理します。

まず前提として、Excel単体では因子分析の機能は標準搭載されていません。

実務で使う場合は、Excel統計などのアドインを利用するか、相関行列や固有値を自分で計算する必要があります。この時点で「分析に慣れていない人にはややハードルが高い」というのが現実です。

基本的な流れとしては、

  • アンケートデータを数量データとして整形し
  • 相関行列を作成し
  • 固有値をもとに因子数を判断し
  • 因子負荷量を算出し
  • 必要に応じて回転を行う

というステップになります。

ただし、因子数の決め方や回転方法の選択、結果の解釈には統計的な前提知識が求められます。Excelで「計算できる」ことと、「正しく使いこなせる」ことは別物だと認識しておいたほうがよいでしょう。

そのため、
・因子分析を初めて扱う
・分析結果を意思決定に使いたい
・レポートや提案資料に落とす必要がある
といった場合は、Excelにこだわらず、専用ツールや統計ソフトを検討するケースも少なくありません。

Excelでの具体的な操作手順や、アドインを使った実践方法については、
詳しくは下記の記事でご確認ください。

エクセル(Excel)で因子分析を行う方法6ステップで解説

因子分析と他手法の違いを解説

データ分析の文脈で因子分析を調べていると、主成分分析や相関分析、クラスター分析といった手法と並んで紹介されることが多くあります。

ここで重要なのは、「どれが優れているか」ではなく、何を明らかにしたいときに、どの手法を使うべきかを理解することです。

因子分析と主成分分析の違い

因子分析と主成分分析は、どちらも「多くの変数を少数にまとめる」点で混同されがちですが、目的が異なります。

因子分析は、複数の変数の背後にある共通の原因や構造を探るための分析です。一方、主成分分析は、データ全体の情報量をできるだけ失わずに要約することを目的としています。

たとえばアンケート結果から「なぜその評価になったのか」「どんな価値観が潜んでいるのか」を知りたい場合は因子分析が向いています。

逆に、複数指標をまとめてスコア化したり、ランキングや総合評価を作りたい場合には主成分分析のほうが適しています。

因子分析と相関分析の違い

相関分析は、2つの変数の関係性を数値で確認するための手法です。

「Aが高いとBも高いのか」「どれくらい関係が強いのか」を把握するのが主な目的になります。

一方、因子分析は相関を前提にしながらも、その相関が生まれている背景にある共通因子を探る点が大きく異なります。

相関分析が「関係があるかどうか」を見る分析だとすれば、因子分析は「なぜ関係があるのか」を考える分析だと言えるでしょう。

複数の項目がバラバラに相関していて整理しきれない場合、相関分析だけでは判断が難しくなります。そうした場面で因子分析が力を発揮します。

因子分析とクラスター分析の違い

クラスター分析は、似た特徴を持つデータ同士をグループ分けするための分析手法です。
顧客をタイプ別に分類したい、回答者をセグメントに分けたいといった目的でよく使われます。

一方、因子分析はグループ分けそのものが目的ではありません。質問項目や変数を整理し、判断しやすい軸を作るための分析です。

実務では、因子分析で項目数を整理し、その結果を使ってクラスター分析を行うケースも多く見られます。

つまり、因子分析は「前処理」、クラスター分析は「分類」という役割分担で使われることが多い手法だと理解するとよいでしょう。

まとめ|因子分析とは「複雑な結果を説明できる形に変える技術」

因子分析とは、複雑なデータをそのまま理解しようとする手法ではありません。
多くの変数に埋もれた結果を、説明できる構造に変換するための技術です。

アンケート項目が多すぎて判断できない、指標同士が似通っていて論点が見えない。そんな状況では、数値を追うほど意思決定が曖昧になります。因子分析は、「なぜこの結果になっているのか」という背景を整理し、判断軸を作るために使われます。

ただし、因子分析は自動で答えを出す分析ではありません。抽出された因子に意味を与え、業務や施策にどう使うかを考える工程が欠かせません。
だからこそ因子分析は、集計の延長ではなく、解釈と設計を伴う分析手法と言えるでしょう。

複雑な結果に直面したとき、説明できる形に変えられているか。その視点を持つことが、因子分析を使いこなす第一歩になります。

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