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CX戦略とは?戦略の立て方から目的・役割・概要を解説

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顧客に必要とされる企業となるためには、感動的な体験を提供するためのCX(カスタマーエクスペリエンス)戦略が重要です。しかし、CX戦略を具体的にどのように立案すれば良いのか、わからない方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、CX戦略を策定したい方に向けて、CX戦略の概要や注目されている背景、策定の手順などを詳しく解説しています。また、CX戦略を成功に導くためのポイントも紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。

CX戦略の概要

CX(カスタマーエクスペリエンス)は、マーケティングや経営戦略の概念で、2000年ごろから注目されています。

従来の合理的な価値だけでなく、顧客が購入や使用、アフターサポートなどの過程で経験する感情的な価値を重視します。日本では「顧客経験価値」「顧客体験価値」とも呼ばれます。

企業は商品やサービスの提供に加えて、顧客が得る体験価値にも戦略を立てる必要があります。カスタマーエクスペリエンスの向上により、顧客満足度を高め、リピーターを増やすことができます。

また、これによって企業の業績向上や顧客のロイヤリティ向上にもつながる可能性があります。CXの重要性はますます認識されており、企業は顧客の感情的な価値を重視する戦略を取り入れることが求められています。

CX戦略が持つ目的・役割

CX戦略の目的は、組織全体で一貫性のある価値を提供することです。そのため、CXリーダーは自社の経営戦略と結び付けたCX戦略を設計し、実行可能な状態を作る役割を果たします。

また、顧客体験の向上には特定の部署だけでは限定的な成果しか得られません。CXリーダーは組織全体において、顧客を中心とした自律的な行動文化を根付かせる役割も担います。

意識変革を実現するためには、自社が「顧客中心」とする状態を明確にし、理解を促す必要があります。また、組織文化の定着のためには、適切なKPIの設定や評価制度の導入など、仕組み化が重要です。CX戦略は経営戦略との整合性を持ち、組織全体の協力によって実現されることが求められます。

CX戦略の重要性と戦略立てするメリット

1.口コミ効果を生み出す可能性がある

CX戦略を経て顧客価値(ロイヤリティ)が高くなったユーザーは、SNSや口コミを通じて商品やサービスの良さを広めるてくれることがあります。

中立な立場からの口コミは信頼性が高く、リピーターやロイヤルカスタマーの自発的な口コミは新たな顧客を引き付けるのに効果的です。

自発的な口コミを得て、良い評判を得るためには高品質な体験を提供し、顧客に好意的な評価をもらうことが重要です。こうすることで、多くの人に商品やサービスの良い評判が広がり、自社の商品やサービスの認知度が向上します。

2.顧客離れを防ぐ

商品やサービスの品質が低下すると、ブランド離れやユーザー離れが起こる可能性があります。一度悪い体験をすると、顧客がブランドから離れてしまう場合もあります。CXの向上によって、顧客との良好な関係を築くことで顧客離れを防ぐことにつながります。

商品やサービスの付加価値として、顧客の体験における感情的な価値を加えることで、自社の商品やサービスを選んでもらえるようにすることが目的です。

わずかな価格差でも、顧客はより安い方に流れてしまうため、価格や機能など商品やサービスの単なる価値提供だけでは他社との差別化は難しく、買うまでの過程やブランドをどのように認知し、どのようなストーリーで購入をするのかで体験価値が大きく変わります。

既存顧客を失うリスクも増えます。

CXを向上させることで、モノの価値に加えて顧客の需要にマッチする体験を提供することができれば、競合他社よりも優位な立場を築くことが可能です。

3.ユーザーの購買行動のリピート率を上げてファン化できる

顧客の要望に応えるためには、現在の店舗の雰囲気や店員の接客態度、オンラインのタッチポイントなどを評価することが必要です。

アンケートや販売データ、接客やカスタマーセンターからのフィードバックなどを通じて、顧客のニーズをしっかりと把握しましょう。

これにより、顧客の期待を上回るより良い商品やサービスを提供し、高品質な対応を行うことが可能です。

具体的な対策としては、店舗の雰囲気や接客態度の改善、オンラインタッチポイントの向上などが考えられます。

顧客の声を丁寧に集め、そのフィードバックに基づいて改善策を策定することが重要です。顧客満足度を向上させるためには、顧客のニーズに適した優れた商品やサービスを提供するだけでなく、顧客への対応の質も向上させる必要があります。

4.他社との差別化

CX(顧客体験)がブランド差別化の重要な要素として注目されています。以前は機能やイメージでブランドを差別化することが容易であり、マスメディア広告が有力なマーケティング手段でした。

しかし、2000年代以降、製品やサービスの「同質化」や「成熟化」が進み、機能やイメージだけでは差別化が困難になりました。

企業が真剣にCXに取り組むことは、競争ルールの劇的な変化を意味します。図は、ブランド差別化においてマス広告が主要だった時代(左)と、CXが最も重要となった時代(右)のマーケティング戦略の変化を示しています。

以前は「売り切ること」が目標であり、広告を通じて多くの顧客を獲得していましたが、現在は顧客体験の重視と組織内の連携や事業成果の向上が必要です。

CX戦略を立てるステップ4つ

1.現状把握と課題の整理

顧客のニーズを理解するためには、顧客からの評価を分析し、行動や感情などのデータを収集しましょう。これに基づいてペルソナやカスタマージャーニーマップを作成します。

CX戦略の策定には、経営状況を分析し、課題や改善点を整理する必要があります。そのために、顧客の声(VOC)の分析が重要です。

企業は顧客や一般消費者からの声を収集し、顧客満足度調査や感情解析などを行って自社のイメージや顧客のロイヤリティを分析します。これにより、顧客の潜在的な需要や現在の経営課題を把握し、CX戦略の立案に役立てます。

さらに、関係者間でペルソナやカスタマージャーニーマップを共有することで、認識のずれを防ぐことができます。

2.戦略の策定

自社の現状と課題を整理したら、次は顧客満足度調査や市場分析、需要動向のリサーチ結果などに基づいて、具体的なCX戦略の方向性を策定します。

このプロセスで重要なのは、「ペルソナ」と「カスタマージャーニーマップ」の設計です。ペルソナは架空の顧客像であり、カスタマージャーニーマップは購入前の認知から購入後のアフターフォローまでの一連の購買体験を可視化した図です。これらを設計することで、顧客の接点に関連する戦略を策定します。戦略策定の過程では、事業戦略の見直しと並行して、顧客の購買体験を意識します。

近年は、顧客の価値観が多様化しているため、質の高いCXを提供するためには、顧客それぞれの価値観に寄り添ったアプローチが求められます。顧客をセグメント化し、各セグメントに対する施策や対応の優先度をKPIを交えて決定し、戦略を策定しましょう。

以上のステップを踏むことで、より具体的なCX戦略の方向性を明確にし、顧客にとって価値のある体験を提供するための戦略を実施していきます。

3.KPIの設定

マーケティング領域で市場分析やプロモーション戦略の精度を高めるためには、適切なKPI(重要業績評価指標)の設定が重要です。

KPIを設定することで、中間目標の達成度を評価し、ゴールに向けた進捗状況を可視化することができます。これにより、プロジェクトの進捗管理や修正の効率化に貢献します。

CXには、商品やサービスの改善が必要な場合や組織的な改善が求められる場合など、様々な顧客体験が含まれます。そのため、CX戦略を策定・実行する際には、即時実施可能な施策と中長期的な取り組みを段階的に行うことが重要です。

CXを向上させるためのKPIとしては、顧客満足度を測る「顧客満足度」や、サービスの推奨度を定量化する「NPS(Net Promoter Score)」顧客1人あたりの生涯合計金額を算出する「LTV(Life Time Value)」などがあります。

CXは顧客体験全体を対象とするため、単一の施策の実行だけでは即座な改善が得られるわけではありません。また、顧客のニーズは競合他社や環境の変化に応じて常に変動します。したがって、仮説を立てて検証を繰り返しながら、CX戦略を更新していくことが重要です。

4.ABテストを行う

CX戦略を策定することにおいて、対象の顧客層に対してA/Bテストを行うことは非常に重要です。

 A/Bテストによって、異なるバリエーションの施策やアプローチを比較することができることで、異なる要素やデザイン、コンテンツなどをテストが可能です。

どの施策が顧客に最も効果的かを明確に特定することで、顧客の関与や購買意欲を高める施策を見つけ出すことができます。このようにデータを可視化し、洗い出すことで客観的かつ信頼性の高い情報を得ることができます。

上記のステップを事業運営における全てのフェーズで綿密に行いCX戦略に落とし込むことにより、最適化された顧客体験価値を提供することができるでしょう。

▼下記の資料はヒアリングを効率化できるヒアリングシートの作り方をステップ別に解説した資料です。ぜひご活用ください。

CX戦略を活用した成功事例3つ

Starbucks Coffee(スターバックスコーヒー)

スターバックスは、特別な場所としての提供を目指し、上質な空間と接客を重視しています。

店内は魅力的なBGMが流れ、おしゃれなインテリアや快適なソファなどで居心地の良さを追求しています。

スターバックスは、顧客に寄り添う丁寧な接客や独自の商品、そして心地よい空間を提供するという、3つの要素からなる独自の顧客体験を創出しています。また、デジタル戦略として、「Starbucks® Rewards」というポイントカードプログラムを展開しており、Web登録済みのカードを使用することでポイントを貯めることができます。

これらの環境は、単に「コーヒーを買う」という行為だけでなく、特別な体験を顧客に提供します。高品質な空間により、顧客はスターバックスブランドに愛着を抱き、リピート顧客の増加や新規顧客の獲得につながっています。

Panasonic(パナソニック)

パナソニックでは、B2B向けの顧客接点の中心となる「カスタマーエクスペリエンスセンター」を2019年1月にリニューアルオープンしました。このセンターは、プレゼンテーションエリア、展示エリア、共創エリアの3つで構成され、展示エリアの充実により、さらなるエクスペリエンス(体験)の向上を図りました。

プレゼンテーションエリアでは、注目分野の市場動向や事例などのプレゼンテーションをご用意しています。映像・音響機器システムを活用し、プレゼンテーション内容に集中できる環境を提供し、没入感の高い体験を提供しています。

展示エリアでは、サプライチェーンの「現場」で課題が発生するシーンを再現し、課題解決に向けたセンシングやAI画像解析などの技術のデモンストレーションも行っています。具体的な課題解決をイメージできるような体験を提供しています。

ガリバーオート

中古自動車販売をメイン事業としている「ガリバー」はAIを活用した「オート査定」によりユーザー視点の中古自動車の購入効率を上げることに成功しました。

ユーザー側がナンバープレートと運転席のメーターパネルをスマートフォンで撮影し、送信することにより、自動車検査登録情報提供サービス(AIRIS)のデータと照合し、車両番号や型式、車種名、メーカー名が自動的に入力されます。

その後は、順にグレードやボディカラー、修復歴やオプションの有無などをタップしていくことで、オークション相場データに基づいてAIが瞬時に査定額を導き出す仕組みとなっています。

また、AIだけでなく「チャット査定」というニーズも予想以上に高いことがわかています。このアプリの特徴は、AIと人の力を組み合わせることで、例えば、高級車の限定モデルなど、査定実績が少ない車種は「手動査定中」と表示され、実際に専門スタッフが調査を行い、チャットを通じて査定額を回答します。

また、故障車や水没車にも対応するため、事故車買い取りのタウ(さいたま市)と連携しております。査定額は7日間有効であり、ワンタップで売却手続きに進むことができます。

これにより、ユーザーが求めている車の種類や特徴はもちろん、修復履歴などの細かいこだわりもAIに基づいたレコメンドが可能になることで、よりユーザーのニーズに合わせた自動車探しを可能にしました。

▼下記の資料では、ヒアリング活動によってお客様のお問合せやCVRの向上を達成できた実例を紹介しています。ぜひ参考にしてください。

CX戦略のまとめ

CX戦略において重要な要素は、顧客の視点を重視することです。顧客を中心に据えた企業文化を醸成することを目指しましょう。また、施策を検討する際には、ペルソナやカスタマージャーニーマップの作成が有益です。

個別の部門に囚われず、全体最適を考え、顧客に一貫した体験を提供できるよう、部署を横断し、CXを改善するための施策を打ち続けることも重要なポイントとなります。

この記事を読んで、御社のCX改善の一助になれば幸いです。

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