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全数調査とは?意味・標本調査との違い・具体例をわかりやすく解説

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全数調査とは、調査対象となる母集団を構成するすべての対象を漏れなく調べる調査手法です。国勢調査をはじめ、教育や経済などの分野で広く用いられていますが、すべての調査に適しているわけではありません。

本記事では、全数調査の基本的な意味や標本調査との違いを整理したうえで、具体的な事例を通して活用シーンを解説します。さらに、全数調査のメリット・デメリットや実務上の注意点を踏まえ、どのような場面で選択すべき調査手法なのかを分かりやすくまとめます。

全数調査とは?目的と意味を解説

全数調査とは、調査対象として定義した母集団に含まれるすべての対象を漏れなく調べる調査手法です。統計調査においては「全部調査」や「悉皆調査」とも呼ばれ、標本を抽出せずに全体を把握する点が特徴です。

総務省統計局では、全数調査を「調査対象集団の全単位について調査を行うもの」と定義しています。この定義から分かる通り、全数調査の目的は推計ではなく、母集団そのものを把握することにあります。
そのため、全数調査は精度を高めるための手段というよりも、調査結果を社会基盤データや制度設計の根拠として用いる場合に選択される手法です。次に、全数調査と標本調査の違いを整理します。

全数調査が有効なビジネス・マーケティングの場面

ビジネスやマーケティングの現場で全数調査が有効なのは、調査対象となる母集団が明確に定義できる場合です。代表的なのは社内調査で、従業員満足度調査や制度利用状況の把握などが挙げられます。

対象が全社員に限定されているため、部署別や職種別といった少人数の区分でも実数ベースで分析できます。

また、既存顧客全体を対象とした調査や分析も全数調査に近い形で行われます。顧客アンケートに加え、CRMや購買データを用いた分析によって、顧客全体の傾向や施策の優先順位を判断する場面で活用されます。

全数調査が向かない場面と判断のポイント

一方で、新規市場の需要調査や不特定多数を対象とする意識調査では、全数調査は現実的ではありません。このような場合は、標本調査によって代表性を確保し、推計によって全体像を把握するほうが合理的です。
全数調査を選択する際は、実施できるかどうかではなく、「全数でなければ意思決定できないか」という観点で判断することが重要です。母集団が明確で、全体把握そのものに価値がある場合に、全数調査は有効な手法となります。

 

全数調査と標本調査の違い

全数調査と標本調査の最大の違いは、調査対象の範囲です。全数調査は母集団全体を直接調べるのに対し、標本調査は母集団の一部を抽出し、その結果から全体を推測します。

標本調査では、抽出誤差や標本誤差が必ず発生します。これは調査設計が適切であっても避けられない性質です。一方、全数調査では理論上、標本誤差は発生しません。ただし、未回答や回答漏れが発生した場合、その時点で完全な全数調査とは言えなくなります。
このように、全数調査と標本調査は単純な上下関係ではなく、目的と制約条件によって使い分けられる手法です。次に、全数調査が実際に用いられている事例を確認します。

全数調査の活用シーンは?事例で解説

1.国勢調査

全数調査の代表的な例として挙げられるのが国勢調査です。国勢調査は、日本国内に居住するすべての人と世帯を対象に、人口規模や世帯構成、就業状況などを把握するために実施されています。
これらのデータは、行政計画や社会保障制度、インフラ整備などの基礎資料として幅広く活用されています。人口や世帯の実数が前提となるため、一部を抽出して推計する標本調査では代替できません。そのため、国勢調査では全数調査が採用されています。

2.全国学力・学習状況調査

教育分野では、文部科学省が実施する全国学力・学習状況調査が全数調査の事例として知られています。この調査は、小学校や中学校の学力や学習状況を把握することを目的として実施されています。
ただし、この調査は常に全数調査で行われてきたわけではありません。時期によっては標本調査に切り替えられており、全数調査を行うことで得られる詳細な実態把握と、学校現場にかかる負担とのバランスが検討されてきました。この事例から、全数調査は目的によって選択される手法であることが分かります。

3.経済センサス

経済分野における全数調査の代表例が、総務省が管轄する経済センサスです。経済センサスでは、全産業分野におけるすべての事業所や企業を対象に、所在地、従業者数、事業内容、売上などが調査されています。
この調査によって得られたデータは、産業構造の分析や地域経済の実態把握、各種統計調査の母集団情報として利用されています。基盤となる経済データであるため、網羅性が重視され、全数調査が採用されています。

全数調査のメリット

1.母集団全体を直接把握できる

全数調査の最大のメリットは、母集団全体を直接把握できる点にあります。抽出や推計を行わないため、調査結果は母集団そのものを示します。標本調査のように「どの程度ずれている可能性があるか」を前提に解釈する必要がなく、データの位置づけが明確になります。

2.細かな区分でも誤差を前提にしない分析が可能

全数調査では、地域別や年齢別、業種別など、細かな区分で分析を行っても理論上の標本誤差は増加しません。総務省の統計資料でも、全数調査は小地域分析や詳細な属性分析に適しているとされています。
市区町村単位や特定属性ごとの分析を行う場合でも、追加の推計を必要とせず、同一データをそのまま活用できる点は大きな利点です。

3.政策立案や制度設計の根拠として信頼性が高い

全数調査は、政策立案や制度設計の根拠として用いられることが多い調査手法です。推計値ではなく実数データであること自体が、意思決定の正当性や説明責任を支えます。
特に、社会制度や公共施策のように影響範囲が広い分野では、「推定」ではなく「把握」であることが重視されます。この点において、全数調査の結果は高い信頼性を持ち、重要な役割を果たします。

全数調査のデメリット

コストと実務負担が非常に大きい

全数調査の最も大きなデメリットは、コストと実務負担の大きさです。調査対象が増えるほど、調査票の設計・配布・回収に加え、データ管理、集計、分析に必要な人員と時間が大幅に増加します。
国勢調査や経済センサスのような大規模な全数調査が、国レベルの予算と体制を前提としていることからも、全数調査が簡単に実施できる手法ではないことが分かります。民間企業や通常のマーケティング調査においては、現実的な制約が大きくなりやすい点が課題です。

未回答が発生すると完全性が崩れる

全数調査は、すべての対象を調べることを前提とした手法であるため、未回答の影響を受けやすいという側面があります。一定数の未回収や回答漏れが発生した場合、その時点で理論上の完全性は損なわれます。
結果として、調査の実態は「全数調査を目指した調査」にとどまり、標本調査と同様に欠測データを前提とした解釈が必要になるケースも少なくありません。

全数調査のよくある質問【Q&A】

1.全数調査は必ず正確な結果が得られますか

全数調査であっても、必ず正確な結果が得られるとは限りません。未回答が発生したり、回答内容の品質にばらつきがあったりすると、データの信頼性は低下します。
全数調査は標本誤差が理論上存在しない一方で、回収率や回答精度に強く依存する手法です。そのため、調査設計や回収管理、回答チェックの体制が結果の質を大きく左右します。

2.どのような条件で全数調査と呼ばれますか

全数調査と呼ぶ基準は、調査設計上、母集団として定義した範囲をすべて対象にしているかどうかにあります。調査対象の設定が網羅的であれば、回収率の高低だけで全数調査かどうかが決まるわけではありません。
ただし、未回答が多い場合には、結果の解釈に注意が必要となり、実務上は全数調査としての価値が低下することもあります。

3.民間企業やマーケティング分野でも全数調査は可能ですか

民間企業やマーケティング分野において全数調査が可能かどうかは、母集団の範囲によって異なります。社内調査や既存顧客データのように、対象が明確で規模が限定されている場合には、全数調査は現実的です。
一方で、市場全体や不特定多数を対象とする場合は、コストや回収の観点から標本調査が前提となるケースがほとんどです。

全数調査のまとめ

全数調査は、母集団全体を直接把握するための調査手法であり、社会基盤データや制度設計の根拠として重要な役割を担っています。一方で、コストや実務負担、未回答リスクといった制約も大きく、あらゆる調査に適しているわけではありません。
全数調査を選択する際は、正確さへの期待ではなく、「全数でなければ目的を達成できないか」という観点から判断することが重要です。

 

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